Dr. Jの仕事と子育ての記録

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【家庭の医学】昔と違う便秘薬の常識。市販薬のおすすめの使い方。

この記事では、主に市販薬の便秘薬の使い方について、アドバイスをしています。

【免責事項】個人の医学知識や診療経験に基づいた内容ですので、確実な最新の知見を保証するものではありません。治癒過程において、違和感や増悪を認める場合は医療機関の受診をおすすめします。

 

最初に大事なこと

嘔吐や強い腹痛を伴う便秘がある場合には病院に行くことです。便秘の原因ってたくさんあるのですが、一般的な便秘というのはこのうちの「機能性便秘症」ということになります。

慢性便秘症診療ガイドライン2017,南江堂 より抜粋

便秘は腸の病気の一つの症状であることもありますから、「おかしい」と、思ったらまずは病院です。

 

便秘になったまずやること

それは、薬に頼らずに便秘を改善させること。

  • 食物繊維の多い食事をとる
  • 水分補給をしっかりする
  • 適度な運動をする
  • 便意を感じたときに我慢しない など

食べた物が便になるわけですから、やっぱり食事によって便の出方が変わるのは納得がいくところです。適度な運動がなぜよいのかというと、運動をすると腸が刺激されて、腸の動きが促進されるからです。

 

便秘薬の種類

便秘薬の分類の一つに刺激性非刺激性かというものがあります。刺激性というのは大腸を刺激して動かすことで、便を出すというもの。非刺激性というのは、便に水分を持たせることで出しやすくするというもの。そのほかに、漢方薬や浣腸、プロバイオティクス、といった種類があります。

 

昔と今で違う便秘薬の常識

まず、刺激性の便秘薬を毎日飲むような使い方はやめましょう。昔はこういう便秘薬の使い方は、悪い使い方とは思われていませんでした。でも、いまは違って、刺激性の便秘薬を日常的に使うとクセになると言われています。クセになるというのは、その薬を飲まないと以前にも増して余計に出にくくなってしまうということ、そして、同じ量を飲んでいてもそのうち効かなくなってくるということが起こります。

そのため今の常識的な便秘薬の使い方は、非刺激性の便秘を日常的に使うという方法です。非刺激性の便秘薬を飲んでも便がなかなか出ない、そんな時は非刺激性の薬を継続したうえで刺激性の薬をたまに使うという感じです。

 

市販薬として手に入る便秘薬

  • 非刺激性下剤 (酸化マグネシウム)
  • 刺激性便秘薬   (ビサコジル、センノシド、ピコスルファート、センナなどの成分がはいっているもの)
  • 漢方
  • 浣腸
  • プロバイオティクス (簡単に言えば整腸剤です)

非刺激性便秘薬は市販薬だと酸化マグネシウムが主な選択肢になってきます。ただ、酸化マグネシウムを日常的に飲むにあたって、注意しなければならない人がいます。それは、高齢者と腎機能が悪い方です。血中のマグネシウム濃度が上昇して、最悪は命にかかわることがありますので、病院では必要に応じて、採血でマグネシウムをたまにはかったりします。

 

処方薬なら便秘薬はもっと種類があります。昔はあまり非刺激性の便秘薬って種類がなくて、選択肢が酸化マグネシウムくらいしかなかったんですが、今はいろいろな薬が出てきています。

酸化マグネシウムでも出ない場合には病院に行ってみるのもいいかもしれません。

 

では。