Dr. Jの仕事と子育ての記録

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お受験は意味がない!?実際に小学校受験を終えて感じた事

この記事は、お受験をするかどうか悩む、お受験未体験の方に向けて書いた、私の受験を終えての感想についての内容になっています。

 

我が家はお受験をして、私立の小学校に通っています。私自身はお受験など無縁の地域で育ち、中学までは公立の学校に通っていましたから、最初はお受験対策の独特な内容に驚くことが多かったです。最初は受験対策に懐疑的な気持ちがあったのは確かですが、そんな私も最終的には受験をして良かったと思っています。お受験未体験だった者からの目線で、お受験を終えた感想を書いていきます。前半でお受験の対策の内容について、後半でその感想についてを書いています。

 

お受験で試験対策として勉強すること

まずは、お受験の内容についてイメージできるように受験教科について説明していきます。一般的な内容なので、知っている方は読み飛ばしていただいても大丈夫です。

ペーパーテスト

いわゆる筆記試験です。絵をみて物の数を数えたり、記号並びの法則性から続きを書かせたり、ほんとにいろいろあります。計算は小学校からの内容ですから出題されません。中学受験等との大きな違いは問題文が書かれておらず、問題は口頭で読み上げられる点です。なので、しっかり問題文を最後まで聞き取ることが必要です。

集団行動

受験者がグループになって、一つの課題をこなす試験です。例えば「みんなで積み木を使って、真ん中に大きなタワーのある街を作ってください」といった感じです。大きなタワーにみんなが集中しそうですが、街という課題ですから、それ以外の建物も作る人をいなければならず、役割分担をちゃんとすることなどが試されたりします。子供同士でどんな声掛けがあったのか、どのように行動しているのか、その様子を試験官が見ていることになります。

体操

縄跳びを飛んだり、マットで前転をしたり、ボールつきをしたり、などなど。ただ、身体能力が高ければ良いというわけではありません。取り組む姿勢だったり、指示をちゃんと聞いているかなどが見られるポイントと言われています。

図画工作系 (お絵描き、工作)

テーマを出されて、絵を書いたり工作をしたりします。例えば、「自分が動物になれるなら、どんな動物になって何をしたいか絵にかいて下さい」とか「折り紙を使って、お弁当を作ってください」とかです。時間が短く限られているので、普通にやっていては完成しません。ポイントとなるメインのテーマを先に書いて、細かいところを後で書き足していくなどのコツが必要です。そして、作成中または完成後に試験官から質問があります。上の例でいうなら「この絵はなんの動物になって、何をしているところですか?」、「どんなお弁当を作っていますか?」などです。「○○です。」の一言で終わらせず、それを選んだ理由についても答えるようにします。

 

お受験は両親の受験

次にお受験の親の取り組みについてです。子供にどのように受験対策の勉強をさせていくのかのマネジメントをはじめ、お受験の主導は親です。何が子供の弱点でどこを補強するべきか、志望校に対しての傾向と対策などは塾で先生に言われても、子供はそれを理解して実行できません。

塾の授業は原則的に参加

授業で講師が言ったポイントや解法の仕方、勉強の仕方、子供の得意な点・弱点などを親が聞き、家での勉強にフィードバックしていかなければならないですから、一緒に授業を受けるのが原則です。いわれたことをノートにメモしたりしながら、授業を聞くことになり、自分が授業を受けている感じになります。

願書は半年以上前から練る

願書の志望理由は重要視されます。自分達はどのような教育方針があって、それに対してどのように家庭で子供にアプローチをしてきたのか。志望校の教育方針のどこが自分達の教育方針と同じで、子供がどのように成長できると考えているのか。抽象的な内容のみでは説得力に欠けるため、具体的な家庭でのエピソードを必ず含めて書きます。どんなエピソードを採用するのかも含めて、願書の構成は半年以上前から塾と考え始めます。

親子面接

基本的にお受験は面接があります。もちろん面接がない学校もありますが、大多数は親子面接があります。過去の質問例などを参考にして、願書の志望理由と矛盾しないように問答リストを作成し、対策をおこないます。「宗教教育についてどのようにお考えですか?(女子校はキリスト教系の学校が多い)」など代表的な質問で比較的対策しやすいものから、「奥様の手料理で一番好きな料理はなんですか?」といった、やや不意をつかれるような質問もあります。もちろんこれも「○○です。」の一言ではなく、なぜなのかということを家庭の教育方針や家庭での日頃の様子を絡めて答えます。

 

受験のイラスト「合格絵馬」

お受験を終えて感じたこと

まずは私の感想を述べる前に、その背景・前提についてお伝えしますと、「無事に第一志望の小学校に行けた」という背景があります。成功体験を娘にさせることができた。そのような立場からの感想ということで、参考にしてください。

結論から言えば、お受験で勉強した内容はあまり意味がなかったけれども、そこは受験勉強は受験勉強と割り切って、私立の小学校に行くメリットが家庭の教育方針に合うのであれば、お受験には意味があると思います。

 

メリット

家庭の教育方針を厳密に考える機会

上に書いたように、願書の構成や面接対策を考える上で家庭の教育方針を明確にする必要があります。なんとなく「こんな風な子になってほしい」ではなく、どんな大人に成長してほしいか、そのためにはどんな能力が必要で、それを育んでいくためには、どのような教育や環境が必要なのか?を考えます。私は普段生活をしていて、ここまで具体的に考えることがなかったため、お受験をしてよかったと思えた一つ目はこの点です。

ある程度は似通った家庭環境・教育価値観の同級生が多い

私は地元の公立小学校に通っていたため、いろいろな家庭の子供が集まるということを経験していますし、同窓会などでその後の進路について聞いてみても本当に様々です。多様性という意味では良い点なのかもしれませんが、デメリットもあるのは確かです。

私立の学校では受験という偏りが生じますから(地域による違いもあるのかもしれませんが)、私が昔に小学校の時に経験した子供や家庭とは、やっぱり全体的に違いました。自分の子供と同じ雰囲気の子が多いというのが良い点かなと思います。

中学受験などに比べれば子供はたぶん楽

これも学校によるのですが、多くの私立小学校は付属小学校で、そのまま中学や高校、大学まで内部進学で行けます。中学受験などに比べると、小学校受験は親の役割の占める割合が多いといえるので、その分だけ子供にとっては楽なのかなという印象です。実際に、お受験の一般的な受験対策期間は約1年半です。受験勉強期間だけで見てみても中学受験に比べれば断然短いです。あとは、その過程が子供にどのタイミングで受験をさせたいのかという方針にもよると思います。

 

デメリット

金銭的にも精神的にも親の負担が大きい

まず、お受験はお金がかかります。塾も一つだけではなく、2つの塾を掛け持ちなんてことも珍しくありません。我が家もメインの塾と、サブの塾で掛け持ちをしていました。お受験の費用は主に塾代、模試代、テキスト代、スーツ・正装代、交通費などですが、平均化すれば月に10万円以上は見込んでおいたほうかよいと思います。もちろんどこの塾に行くか、どこの学校に行きたいかにもよるとは思います。

また、塾の授業も土日だけでは収まらず、平日の日中にもあるのが普通ですから、共働きの家庭の場合は仕事との両立をさせなければなりません。祖父母に協力をお願いする方もいます。そして、受験が近づく程に強まる、合格できるのかどうかという焦りと不安です。受験内容をみてわかる通り、ペーパーテスト以外は採点基準がわかりません。模試で点数がつき、学校判定はされますが、模試の採点基準と実際の学校の採点基準が一緒なんて保証ないですから、何が正解なのかなんてことはわかりません。お受験では合格することを、その学校と「ご縁があった」という言い方をしたりします。何が見られているのかわからないからこその表現なのではないでしょうか。

科目によっては勉強・トレーニングした内容は、その後に活きない

ペーパーで勉強した内容、集団行動での立ち居振る舞い、質問に対しての受け答えなど、その後の勉強には活かせません。「こういう時にはこうしましょう」的な対策は受験のためだけの内容です。もちろん、全部が役に立たないわけではなく、体操は身体能力を養うという意味では役に立つと思いますし、図工も多少は器用さが養えるかもしれません。

自分で考える力を養うという謳い文句もありますが、子供ですから当然すべて自分で考えて自分の答えに辿り着くなんてことはないですし、結局は大人が用意した答えに誘導することになってしまいがちです。

 

そもそも、小学校をどこに行くかで、その子の人生が決まるわけは当然ありません。お受験の苦労に見合うだけのメリットを感じれば頑張ってみればよいわけで、私立に行きたいと思う家庭には意味がある、興味のない家庭には意味がない、ただそれだけの話です。

 

以上、自分の体験からの感想でしたが、何かの参考にしていただければ幸いです。

では。